2025年 成功するウェブサイト基本原則
|優れたウェブサイトに欠かせない7つの要素
企業ウェブサイトは、海外ユーザーと関係構築に欠かせない重要なツールです。特に、文化や価値観が異なる海外ユーザーを対象とした場合、国境を越えたコミュニケーションを可能にするグローバルサイトは、信頼関係を構築するうえで重要な役割を果たします。
ブランドの”最前線”として24時間稼働するサイトは、戦略性や構造、スムーズなユーザー体験を通じて信頼を築き、成果を生み出す必要があります。2025年に求められるウェブサイトは、「使いやすさ」と「見つけやすさ」を前提に、顧客満足を高め、ブランドの信頼を獲得し、集客にもつながる存在でえあることです。
本記事では、海外市場で成果を高めるために必要な「魅力的なウェブサイトの基本原則」として、成功するウェブサイトに欠かせない基本原則をご紹介していきます。
目 次
企業が優れたウェブサイトを持つべき理由とは?
多くのユーザーにとって、企業との最初の接点はウェブサイトあり、その第一印象が信頼性やブランドイメージを大きく左右します。実際に、ユーザーがウェブサイトを訪れてから、”印象”を形成するまで、わずか0.5秒と言われており、その一瞬で与える第一印象は、その後のユーザー行動に直結します。
優れたウェブサイトはブランドアイデンティティを体現し、ユーザーとのつながりを強固なものにします。直感的でシンプルな構造はユーザーエクスペリエンスを高め、必要な情報にスムーズにたどり着ける環境を提供します。また、適切に設計されたサイト構造はSEOやAIOによる最適化にも寄与し、ブランド認知向上を後押しします。
デジタル化が加速する現在、優れたウェブサイトは企業の競争力の源泉です。市場環境の変化や新規事業展開にも柔軟に対応できる基盤として、長期的な成長を支える重要な役割を果たします。
優れたウェブサイトは、次のような価値を持ちます 👇
- ブランドの「顔」としての役割
- グローバル市場での信頼構築
- 顧客獲得と売上拡大につながる
- 将来的な競争力と拡張性
ウェブサイトを構成する基本要素
ウェブサイトを構成する要素は、さまざまなウェブサイトの基本となります。これらを正しく理解することで、優れたユーザー体験を実現します。
ヘッダー(Header)
各ページの上部に位置するヘッダーは、ウェブサイトを訪れた人が最初に目にします。ヘッダーを見ることでサイトの構成を把握できるため、必要な情報を素早く見つけられるようにガイドする役割
フッター(Footer)
フッターはウェブページの下部に位置する部分です。追加のナビゲーションとして機能し、こちらも重要な情報を素早く見つけられるように整理されたレイアウトが必要です。プライバシーポリシー、利用規約、会社概要といった重要なページを配置
CTA(Call to Action)
ユーザーに特定の行動を促す行動喚起のボタンやリンク。サービスへの登録や購入を促す的確なメッセージを入れ、ユーザー行動を促し、コンバージョンに直結する重要な要素
タイポグラフィー(Typography)
フォントの種類、サイズ、行間、色など。読みやすさとデザイン性、ブランドイメージを反映
余白(White Space)
要素と要素の間にあるスペースで、情報を整理し、可読性や視認性を高める役割
画像・動画(Images ・Videos)
製品の魅力やブランドストーリーを直感的に伝える役割があります。ストーリーテリングに効果的で、視覚的にブランドを訴求する重要な要素
レイアウト(Layout)
情報の配置や構造を決める枠組み。ユーザー行動をスムーズに導くために欠かせない要素
ナビゲーション(Navigation)
サイドメニュー、パンくずリスト、グローバルナビなど、ユーザーが必要な情報へ迷うことなくアクセスできる仕組み。サイト内回遊を高める役割
2025年 優れたのウェブサイトに必要な7つの要素
レスポンシブデザイン
レスポンシブデザインとは、ユーザーが利用するデバイスの画面サイズに合わせて、レイアウトを自動的に調整する設計手法です。スマートフォン、タブレット、PCなど、どのデバイスからアクセスしても同じように快適に閲覧・操作できることが特長です。
現在、世界のウェブトラフィックの60%以上がモバイル端末から発生しています。グローバルサイトでは、ユーザーのアクセス環境が国や地域によって異なるため、レスポンシブデザインはもはや「選択肢」ではなく「必須条件」といえます。
Googleを含む主要検索エンジンは、スマホ対応のレスポンシブサイトを評価しています。検索エンジンのクロール効率が上がり、サイト全体のランキング向上が期待できます。
強力なビジュアルアイデンティティ
ビジュアル・アイデンティティ(VI)とはブランドのビジョンやイメージを、ロゴ・カラー・フォント・写真・レイアウトなどの視覚要素で一貫して表現する仕組みです。
<参照:Google Identity>
ウェブサイトの視覚的要素は、ブランドの価値観やストーリーを直感的に伝える力があります。
特に海外市場では類似の製品・サービスが溢れています。色やビジュアルは心理に働きかけ、安心感・ワクワク感・信頼感などの感情を喚起します。また、人間の脳はテキストを読むよりも画像・ビジュアル情報をより早く処理することができ、視覚情報は記憶に定着しやすいという特徴があります。
強力なビジュアルアイデンティティを持つサイトは、「他と違う」「記憶に残る」 存在となり、競合との差別化を実現します。そのため、単なる「デザインの美しさ」を超えた戦略的な価値を持ちます。
ブランドとデザインの一貫性
ブランドや製品とウェブデザインに一貫性を持たせることは、顧客に信頼感を与え、ブランド認知やロイヤリティを高めるために重要な要素です。
商品やページごとにデザインやトーンが異なると、ユーザーに伝えたいメッセージがぼやけてしまう可能性があります。ブランディングは、ユーザーに対して企業のイメージや商品のストーリーなどを伝える役目を果たします。さまざまなブランドを展開している大企業は注意が必要です。
こちらの記事でも紹介していますが、Apple(アップル)のデザインは全てのページが ” Apple ” です。実店舗・製品・ウェブデザインなど Apple に関わる全てのユーザーインターフェースに一貫性を持たせることで、統一した世界観を創り出し、強力なブランド力を生み出しています。
<参照:Apple.com>
階層的なコンテンツ構造
海外ユーザーは言語・文化・情報習慣が異なり、直感的にサイトを理解できなければすぐに離脱してしまいます。階層的に整理された構造は、「どこに何があるのか」 を視覚的にわかりやすくし、求める情報へスムーズに誘導します。
多言語・多地域対応のサイトでは、製品・サービス情報、国別情報、サポート情報などが膨大になります。階層的な構造を持たせることで、情報の重複や混乱を防ぎ、整理された状態で拡張が可能になります。
また、検索エンジンはサイトの構造を評価します。サイトの評価を向上させるという意味でも、単なる「見やすさ・アクセスのしやすさ」ではなく、集客・信頼・運用効率のすべてに直結する戦略的な要素といえます。理想的には 「3 クリック以下」でサイトの目的の場所にアクセスできるように設計しましょう。
サイトの読み込み時間とページ速度
素晴らしいデザインのウェブサイトであっても、読み込み時間が長いと、多くのユーザーはサイトから離脱する可能性が高まります。ページが表示されるまでに3秒以上時間がかかってしまうと、直帰率が最大 40% になってしまと言われています。
また、Googleアルゴリズムは「ページの表示速度」を重視しており、サイト全体の評価に大きな影響を与えます。したがって、速度改善はウェブサイト制作に欠かせない取り組みです。
読み込み時間とページ速度改善の対策例
- CDNをウェブサイトに導入する
- 不要なコードを削除する
- CSS/JSの読み込み順序を最適化する
- 遅延ロードを実装する
- すべての画像を軽量化する
- ブラウザキャッシュの活用(Cache-Control、Expires、ETag設定など)
モバイルフレンドリーなサイト 
マルチデバイス対応は、ウェブサイトを作成する際の必須の要素です。世界中のトラフィックの60%以上がモバイル経由で発生しており、インターネットユーザーの90%以上がモバイルデバイスを利用してインターネットにアクセスしています。
モバイルフレンドリーなデザインは、広範囲なユーザー層にリーチするためには必要不可欠です。どのデバイスからアクセスしても、同じエクスペリエンスを提供できる環境でなくてはなりません。
Googleはモバイル向けのウェブサイトを優先してインデックスし評価します。(モバイルファースト インデックス/MFI)モバイル対応が不十分なウェブサイトは、検索順位の低下やペナルティを受けるリスクもあると言われていますので、きちんと対応しておかなくはなりません。
コンテンツを Google の検索結果に表示させるための要件ではありませんが、非常に強く推奨されています。
AI × パーソナライゼーション 
最新のAIツールを組み込むことで、ウェブサイトのコンテンツ、レイアウト、機能をデスクトップ、モバイル、タブレット上で訪問者一人ひとりに最適化された体験を構築できます。
ユーザーの行動履歴、アクセス地域、利用デバイス、さらには購買履歴やソーシャルメディアでの関心までを分析し、リアルタイムで適切なコンテンツや商品を提示することが可能。
- 商品・サービスのレコメンデーション:人気商品や関連商品、よく一緒に購入される商品など
- サイト内要素の最適化:バナー、ポップアップ、カテゴリーページをユーザーごとにカスタマイズ
- パーソナライズされた検索結果:過去の検索や購買履歴をもとに、関連性の高い検索候補を表示
ユーザーは自分に合った情報を効率的に得られるため、満足度とエンゲージメントが高まり、結果としてコンバージョン率やリピート率の向上につながります。また、会話型AI(チャットボット)をサイトに組み込むことで、ウェブサイトをよりインタラクティブなものにすることができます。
特に、eコマースサイトやエンタメ業界のグローバルサイトでは、国や文化、購買習慣が異なるユーザーに「最適な体験」を提供でき、競争優位となります。AIによるパーソナライゼーションは、単なる利便性向上ではなく、海外市場でブランドの信頼を築き、売上拡大を実現する戦略的要素といえるでしょう。
結論
ビジネス上の成果を出すために、ウェブサイトのデザインは重要な役割を果たします。ユーザーがウェブサイトを訪れた際に直感的に「コンテンツとレイアウトが魅力的でない」と感じた場合、38%の人が離脱するそうです。
海外のユーザーを魅了するウェブデザインは、日本語でのサイト制作以上に困難なものになります。さらに、実際にウェブサイトを制作して、ユーザーの反応を見ながら、サイトの精度を高めてくことでより魅力的なウェブサイトになるでしょう。
海外ユーザーの離脱を防ぎ、惹きつける多言語ウェブサイト制作をお考えでしたら、ぜひご相談ください。

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括。オーストラリアの永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本8年を経て、現在はシンガポールからフルリモート3年目。